お前の人生にクイーンはいるか?ボヘミアン・ラプソディ感想
ボヘミアン・ラプソディ観ました。
イギリスの伝説的バンド、クイーンについて描いた映画。ぼくはクイーンについては曲何個かうっすら知ってるくらいだし、ボーカルのフレディ・マーキュリーについては、クロマティ高校に似てるやつが出てくるよなくらいの知識しかなく行きました。結論から言うと本当に素晴らしくて、後半30分くらいずっと泣いてました。両脇のカップルすみません。
クイーンの物語
何から話したらいいかわからないんですが、とりあえず言いたいのはこの物語は紛れもなくクイーンの物語であったということ。中心に描かれているのは紛れもなくフレディだし、他のメンバーについての掘り下げもあまりない。だけど、それでもあの音楽はあのメンバーでしかありえなかったという説得力ある内容でした。ラストのセリフ、フレディがライブの観客に向けて「愛してる!」っていうんですが、英語だと「We love you!」なんですよ。クイーンのグループとしてのセリフで締められたジーンとくる場面でした。
クイーンの曲についての知識は必要かという話
この映画はフレディの恋愛とかグループでの悩みとか周りからの声とか一つ一つのシーンが本当になにもかも曲へとつながっていく、あまりに美しい伏線回収のような展開を楽しめます。そしてすべてが最後のライブシーンにつながっていきます。なので知っている人は「ああこの曲は!このシーンは!」って楽しみながら見られると思います。全く知らない場合でもあらゆるシーンがどんどん収束していって曲につながっていくことを味わいながら楽しめる作品になっています。
魅力的な周りのキャラクター
ドキュメンタリー寄りの作品にキャラクターというのはどうかと思ってしまうんですが本当に魅力的な人間性とセリフを見せてくれます。フレディは女性のメアリーと愛を誓ったものの、自身が同性愛者であることに気がついていきます。それをメアリーも薄々察している中、フレディはそのことについて切り出します。その返しのセリフ、
「本当につらいのは、誰も悪くないってことよ」
…うろ覚えだけどめっちゃかっこいい…。言ってしまえば浮気した相手に対して優しすぎて強すぎるセリフでした。それがすべて正しいかとか実際そんなことが言われたかなんてどうでもよくなるくらいすごい。LGBTとかスキャンダルに対してこんなシンプルにすべてを認めるアプローチもあったんだなとびっくりしました。
そしてフレディのお父さん。息子の活動を快く思っておらず、ところどころでその問題も影を落としてくる。そんなまま終わるのもまあ実話をもとにしてるからしょうがないよねって思ってたんですが、クライマックスで素晴らしい和解を見せてくれる。ここもほんとにすべてがつながってくるすごくいいシーンでめちゃくちゃ感動しました泣きました…。
クイーンの他のメンバーとか、一晩だけ会話したボーイの男性とかめちゃくちゃに魅力的なキャラクターがフレディを囲んでいます。
なんだかんだ言ってもフレディ・マーキュリーがすごい
初めに言ったように僕はフレディのことなんて知っていたのは顔くらいなもんでした。
そんな僕でも(そんな僕だから)確信してしまった。
「こいつはフレディマーキュリーだ。」
と。いやわかってるんですよこの映画に出てくるフレディは本物じゃないしこの映画が全部実話ってわけじゃないことくらい。でもそんなの些細な問題だと思えるくらいフレディがすごい。メアリーの話でも出てきたけど彼は決して完璧な人間ではなくて、あらゆることを間違えて後悔して生きている。それでも前を向いて、過去からも逃げずに自分の音楽を作り出していく。実際残っている曲と限られた事実から想像される人物像として余りにもピッタリなものを見せてくれる。演技も本当に素晴らしくて、歌うシーン以外でも苦悩するところやセリフ無しで文字通り背中だけで語るシーンでも圧倒的な存在感を見せてくれます。周りの人は「いい演技だな」とか思いながら見ていたんですが、フレディはもう「本人だから演技じゃないよな」って思ってしまうレベルの演技でしたよ。
まとめ
クイーンのことほぼ知らなかったけど、見終わったときには僕の心にはクイーンの魂が刻み込まれていました。というよりもっと前から僕の人生にはクイーンが組み込まれていたような感覚になりました。なんか説明しがたいけどまとめるとそんな感情になったんですよ、うん。
クイーンのこと知らないとか音楽あんまり聞かないとかいろんな不安はあるかもしれないですが、僕もそうだったから!そんなことは気にしないで見に行って欲しい!そして絶対いい音響と大画面で見た方がいいんで劇場で見て欲しい!!!!!