犬王応援上映をさせてくれ〜〜という感想

犬王、良かったので是非見て欲しいんですが、今回はとりあえず犬王と応援上映についてに絞って書きました。

 犬王のストーリーを非常に簡単に説明すると、琵琶法師と能楽師の2人のショーによって人々の心を掴んでいく話で、僕は非常に好きだったのですが、評価は分かれるかもなあという気はしました。

 この作品を楽しみ、この作品に入り込みやすくするには原作とか平家物語よりも応援上映の経験が重要な気がしました。

 応援上映は、映画館での上映に合わせて発声したりペンライトを振ったりする上映形態で、コロナのため近年はなかなか難しいですが、バーフバリやキングオブプリズムといった作品が(オタクの間では)有名かと思います。

 これらの応援上映が人気の作品の共通点として、観客の気持ちになって作品を楽しめることがあると思います。バーフバリにおけるインドの王を讃える民衆やキンプリにおけるプリズムショーを見る観客など、すごいことをする主人公たちだけでなく、すごいことを見つめてリアクションする観客の描写が充実しているのがこれらの作品だと思います。

 そこで犬王の話に戻るのですが、犬王もまた観客の描写が丁寧だし、主人公たちがコールや手拍子を促してきたりします。ここで応援上映の経験があるかによってこのノリの受け止め方が変わってきて評価も変わってくるかなと思います。

この作品でうーんと思った点として、「歌詞が聞こえなくて内容に入り込めない」というのがあって、それについては同意できるところもあるんですが、実際現場にいるような臨場感という気分で捉えるならそれもアリなのかなどと思えました。

 いろいろ書きましたが、さまざまな要素が美しく混ざり合っている作品だし、ストーリーも映画の限られた尺で綺麗にまとめられているので応援上映の経験の有無に関わらず是非見て欲しい映画です。