プリティリズムオーロラドリーム感想1-誰のために生きるのか

プリティリズムオーロラドリーム見ました。感想まとめるの難しいんですが、とりあえず「全体について」「3人のプリズムジャンプについて(オーロラライジングについて)」を分けて書こうかなと思いました。

 

とりあえず全体について、僕はキンプリから見たのでプリズムショーってそもそも何なのかとかプリズムジャンプってなんなのか疑問だらけのまま見始めました。詳しい説明を期待したけどまあなんもないんすね。なるほど。プリズムショーはまあフィギュアスケートみたいな感じでダンスと歌とコーデで採点される競技みたいな感じなんでしょうね。

1話1話の構成を見ていくと、起(何らかのイベント)承(イベントの準備)転(トラブルとか課題)結(プリズムショーで解決)という感じの大まかな流れがかなりキッチリできていてすごいなと思いました。見てない人はプリズムショーでなんで解決するんだよって思うかもしれないですが、解決するんだよなあ。加えて1話1話の話の内容がストーリー全体にうまく組み込まれているのもまたうまいと思います。

 

さてここからが本番。勝手に感じたこのアニメのテーマは「自分のために生きる」ってことです。

まずは主人公たち子どもについて。本来おしゃれは他人からどう思われるかみたいなことが主眼に置かれがちだと思います。本作も男性キャラとのラブコメ的な面もかなりあるのでそれも含めて他人向けのおしゃれというところはもちろんあります。でも例えば主人公のあいらちゃんは自分のコーデについて満足すると「ハピラキ!」って言ってめちゃくちゃ幸せそうだし、他人の満足よりも先に自分のためにおしゃれをしているのが強い印象があります。おしゃれってあこがれる思いもありますが、他人からどう思われるかって気になってしまう部分もすごく強くあるように思います。他人からの意見をとりあえず気にしないで自分が幸せになれるようにするっていうのもおしゃれの考え方のひとつなのかなと教えてくれるような気がします。恋愛パートでも自分が幸せになれそうな人を前向きに選んでいる感じがします。

次は大人たちについて。基本的に頼もしくて子供思いのいい人たちなんですが、他人のために生きることと自分のために生きることの折り合いをつけることの難しさであったり葛藤をうまく出しているような気がします。

例えばアイドルのような活動や恋愛に関して最初は否定的だったお父さん。自分の思うかわいい恰好をさせたりしてかなり悩ましい人なわけですが、まあ世間ではそんな親が普通なのかもしれません。そんな親の思いも踏まえつつ、押し付けられた衣装をそのまま着るのではなく自己流にアレンジしてプリズムショーに出て親を納得させる展開なのも面白かったです。

そして阿世知社長。お金にうるさいいかにもな社長キャラです。一方で主人公たちのグループMARSの武道館ライブでは機材トラブルがあった時に高いのに壊れますよって言われても機材を殴りながら「お金の問題じゃないの、彼女たち頑張ってるじゃない!」って言うんですよね。メチャクチャかっこいい。

基本的に強い人として描かれるんですが、一番印象的なシーンはあいらちゃんに伝説のプリズムジャンプ、オーロラライジングを跳んで欲しいと伝えるシーン。勝つために必要だということも言うけど、昔社長本人が跳べなかったという思いから、ほかならぬ自分のやってきたことが間違えてないことを多少でも示すために跳んで欲しいということを伝えます。ここをごまかしたりしてやらせるのではなく自分のためにと正直に伝えるところもカッコいい。親と子、師匠と弟子は時に呪いのように描かれるけれどこのシーンは本当に対等な関係性で思いを伝えるところがとてもいいですね。

 

 

全体への感想はとりあえずこんなところで。1話1話ちゃんとまとまっているし、プリズムショーの作画への気合の入り方とか本当に素晴らしい。謎の実写パート入ってるからそれを飛ばすとアニメ本編の長さは多少短めなので話数にビビらずに見始めるとかなり見やすいと思いますのでオススメです。キンプリだけ見た人もハチミツの元ネタ(?)が知れたりプリズムショーも負けず劣らず盛り上がるのでぜひぜひ。