今回のポケモン映画は子供向けだと思わないで見に行ってくれ

ポケモン劇場版ココ、良かった…(完)

 

ポケモンの劇場版を映画館で見た記憶はほとんどなかったんですが、評判も良さそうなので見に行くことにしました。

予告で見た内容からわかることとしては、ポケモンに育てられた子供の話ということで、まあそれだけ聞くと似たような話はたくさんあるなあとか思いながら見に行きました。

事前に考えていたこととしては

1.ポケモン(ザルード)は拾った子供(ココ)をどうやって育てていくんだろう?

2.子供は人間とポケモンの狭間で悩むことになるだろうけどどうするんだろう?

3.自然と人間の活動の間にある対立みたいなのは描かれるのか?それをどう表現するんだろう?

というようなことでした。今回の作品は、それらの考えていたことに対して予想を遥かに上回る解答を返してくれて本当にすごい作品だなって感じました。親代わりとなってココを育てるザルードの言動全てが本当にカッコいい。見た目だけ見て侮っててほんとすまん…。

あとネタバレ無しで言えることとしては、

ポケモンがかわいい

ということでしょうか、まあそれはそうだろという声も聞こえてきそうだけど、かわいいもんはしょうがないでしょ(開き直り)特にホシガリスとかタイレーツがかわいい。対戦では苛立たしいエルフーンが悪態をつく姿さえかわいい。フライゴンは強い。

「子供向けで退屈」みたいなシーンは本当に全然なくて、ものすごい密度でした。

ザルードとココの選択ひとつひとつが痺れるようなかっこよさなので何度も涙が出てきてしまいました。ポケモンと人間という種族が違う親子だからこそ生まれる葛藤と動き出していく物語をぜひ見てほしいなと思います。

 

この後はすこしだけネタバレがある感想を

 

 

 

 

 

 この映画はザルードの群れが他のポケモンからきのみを奪うシーンから始まるんですよね。ぼくはただザルードの強さを示すためのシーンなのかと思っていたらそんなことはなかったんですよね。めちゃくちゃに感心した。

 もうひとつ冒頭から、映画の開始まもなくココを拾ったザルードの決断は「(ザルード以外を縄張りに入れない)群れを抜けてココを育てる」という選択で、これを即決で決めたのがめちゃくちゃすごいなと思った。人間以上に惻隠の心に溢れている…*1

 ザルードと他のポケモン、ザルードと人間の話をまとめて行く流れが本当にきれいで、ポケモンについて何度も真剣に向き合って作ってきたからこその世界観や倫理観の懐の深さを感じました。

以下はネタバレガッツリの呟きです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・人間の力を象徴するメカが生々しい動きをするのものすごく効果的に感じた

ポケモンシリーズの悪役ほんとどうしようもないくらい悪すぎてちょっと引いちゃう…

・科学者全体が悪いまんまで終わるかと思ったけど森を一緒に修復していくシーンもしっかり入れてくれたのただ発見を求めるだけじゃなく倫理とも向き合う姿が示されていてめちゃくちゃ良かった…。

・人間の知られざる力があるとして木の秘密に詳しく入り込まないのもいいなって思った。

・自然と人間という対立の描き方としてロシャオヘイセンキと重なる部分があると思ったけど、ぼくはポケモンの出した結論のほうが理想論すぎるとはいえるけど好きかなあ。

セレビィが時渡りしてココの親助けてくれていた…とかそっちのほうがいいとかではなく可能性の話としてないのかな…とか思ったり思わなかったり

・父ちゃんザルードが来場者特典でもらえるのめちゃくちゃ解釈違いで笑ってしまう。そりゃザルード出てきたんなら一緒に戦いたい人も多いだろうけど…。来場者特典、剣盾のどっかにココが出てきて少しだけ話せる、とかだったら泣くほど喜んでたのになあ…と厄介オタクは妄想しています。

  

*1:最近劇場版を見てきた感覚として、ポケモンに対しては性善説、人間に対しては性悪説に立って描かれているのではないかと考えています。無知なサトシがキレやすかったり、昔は普通だった人が何かをきっかけに極端な悪に手染めたり…