激ムズなSEKIRO-隻狼はゲームがうまい人のためのゲームなのか

さて最近発売された隻狼のお話です。

クリアはまだまだ遠そうですがアマゾンのレビューとか見てると賛否両論あるみたいですね。到底万人には勧められないゲームではあると思うのでよくわかります。

それでも僕はメチャクチャに楽しいゲームだと感じています。

簡単にその理由など書いていきたいと思います。

まず何といっても超難しい。その辺にいる雑魚敵からして普通に一撃で半分くらい削られるレベルで本当に強い。二体とかと対峙したら普通に死ぬ。一瞬で死ぬ。そしてレベリングの概念があまりないので(スキルを強化することはできるけど攻撃やHPはボスを倒したアイテムじゃないと増えない)主人公を成長させるより、プレイヤーの腕を成長させることでゲームが進んでいくような感覚です。

雑魚敵は1体ずつ相手をしてガード(剣によって弾く)やを使っておけば何とかなる(何とかさせるまでが超大変だけど)。でもボスはそうはいかなくて、ガード不能の攻撃(危の文字が出る)も多々繰り出してきます。その攻撃を回避するために、

1.横にステップでよける

突進などの場合横にステップで移動すればよけられますが、移動距離が短いので相手の攻撃範囲によっては当たってしまいます。

2.後ろ方向にジャンプする。

つかみや下段への薙ぎ払いみたいな攻撃をよける際に有効です。回避方法としてはかなり有力ですがむやみに跳んでいるとそれに合わせて格ゲーのごとき攻撃を繰り出してくるので過信は禁物です。それに加えて、相手の攻撃をかわした直後に反撃することでダメージを与えなきゃいけないこのゲームにおいて、距離をとりすぎて攻撃を加えられずにジリ貧になってしまうのはかなりきついです。

3.攻撃する

「は?」と思われそうですが、攻撃を加えることで相手のバランスを崩して危険な攻撃を防げる場合もあります。それでも失敗すると無防備で大ダメージを受けるのでかなりハイリスクな手段でもあります。

 

こんな感じで何種類かの回避手段がある中で、敵のモーション合わせて適切なコマンドを瞬時に判断しなければいけません。回避した後に攻撃を加える場合もあまり攻撃を連打していると反撃を食らうので、相手の体勢などをみて何発攻撃するかを判断しなければいけません。一発のミスで即座に死んでしまうので終盤は本当にめちゃくちゃのめりこむし、集中するし、ドキドキするし、アドレナリンがドバドバ出てるのを感じるし、勝った時はマジのマジでガッツポーズが出てしまうし、あと一歩で勝てなかった時にはどうしようもなく悔しい。やってみた人にしかわからないような敵の息遣いまで読み取り合う真剣勝負の感覚が味わえます。

 

このゲームを制作したフロムのゲームはユーザーに媚びないことで有名なんですが、今作の最大の特徴は、

失敗したときにどこが悪かったのかが理解しやすい。

という点にあると思います。先にあげた回避を失敗したら「あのモーションにはあの回避か~」となって次回以降に活かしやすくなっています。ボスの周りには取り巻きの雑魚敵(数発で倒せるけど数発で倒される)にやられたら、ボスから距離をとりつつ雑魚を蹴散らしてからやれるようにすればいいかな、みたいに次に試してみたいことがどんどん思い浮かんできて、心が折れそうになりながらも何度もやりたくなってしまいます。

 

同じフロムのゲーム、ダークソウルは似た、難しいけど超楽しいゲームではあるんですが、「何かよくわからないけど死んだ」「なんかよくわからなかったけどレベル上げたら倒せた」みたいなことが多かったように思います。

 

 

 このゲームについて「アクションゲームが苦手ならやめておけ」って言葉が結構聞こえてきたのですが、僕はそれはちょっと違うように感じていて、トライアンドエラーで試行錯誤するのが苦じゃなく、そこにやりがいや喜びを見出せる人のためのゲームだと思います。成功体験をどんどん積み重ねられるゲームではないので、そういう体験をゲームに求める人には向いていないように思います。一方で、ほかのフロムのゲームと比べると攻撃をはじくタイミングはかなり緩いし、スタミナのようなシステムが無くて走ったり回避したりはかなりやり放題なのでアクションゲームの才能みたいなものは比較的あまり必要なく、とにかく操作と敵に慣れることが求められていると思います。

 

不満点もなくはなくて、

・何度も死んでやり直すゲームなのに何度も死ぬとNPCが死ぬ可能性があるというペナルティが重すぎる。

・忍具と呼ばれるサブウエポンが使えるけどいまいち使えない(強化できるっぽいのでそれ次第で改善されるかもしれないけどまだできてない)。その辺の兵士が手裏剣完璧に弾いてくるしダメージも微量だから結局刀で殴りあうだけになりがちです。

この辺りは何とかしてほしいと思う。

 

もうどうしようもなく難しくて絶望しそうになるけどいくらでもやりたくなるような凄まじい魅力を持った隻狼。まだ攻略情報が錯綜していてプレイヤーみんなであれこれ試しながら進んでいくこの時期は最高に楽しいので興味があったら是非やってみて欲しいです。