やっぱコナンドイルといえばSFだよね~『失われた世界』

はい。もちろんホームズでおなじみコナンドイルさん。もとは歴史小説を書きたかったのにホームズの人気がですぎてプレッシャーで辞めるわけにはいかなくなったというヤンウェンリーみたいな事情を抱えた人ですね。

でもこの作品はSF、でもそこまでSFというジャンルは確立されていなかったので科学系の要素と架空の要素を組み合わせた小説という感じです。

舞台の始まりはおなじみイギリス。主人公は新聞記者として働く男。彼女に「冒険心の無い男はダサい」的なことを言われて冒険する機会を探しているところに、生物学の有名な教授が「俺は南米で恐竜を見た!証拠は帰り道の川で船が転覆したので無い!」って言いだしたもんだからさあ大変。ノリノリの記者とそんなもん存在しないって言っているツンデレ気味の教授と、バケモンみたいな強さを持っている貴族のお兄ちゃんと一緒に南米に旅立ちます。

物語は主人公の手記という形で進んでいきます。全部が終わった後に書いているものではなく、現地で書いたものを人に託しているものなので途中で途切れて終ってしまうということも十分に考えられるし、そもそも恐竜が生きている場所が現存しているのかドキドキしながら読めるような内容になっています。

途中で差し挟まれる科学についての議論もしっかりしているし最後まで退屈させないドタバタ感とユーモアに満ちた素敵な小説でした。