世田谷美術館 髙山辰雄展

世田谷美術館の展示に行きました。正直に申し上げると、ほとんど知らない作家で広告の《少女》もあまり好みではなかったのですが、五島美術館横山大観はじめとする日本絵画と静嘉堂文庫の曜変天目をメインでいって近かったんでついでにって感じで寄ったんですよね。しかしこの展示を見て髙山さんのことめちゃくちゃ好きになってしまったのでついついブログを書いているわけです。

彼の絵の印象はつかみがたい雰囲気があるようでいて不自然なところがあるわけではなく、見ているうちにだんだん心に馴染んでくるような不思議な感覚がありました。

色彩はあまりたくさんの色を使わないことで、背景とそれ以外の物の調和がよくとれているように感じてどんどん引き込まれてじっくり見ていたくなるような作品になっているような気がします。改めて言うまでもないことかもしれないけども、実物の色の映え方はやはり全然違っていてとても素敵でした。

描いているシーンは日常の風景のようでありながらでも特別な一瞬(例えば、ヨーロッパで立ち寄った年寄りだらけの村でチラッと見かけた少女とか)を描き出すことによって描かれた人の人生であったりその場所の歴史みたいなものをいっぺんに感じられて一枚一枚「うおっ」とか驚きながらの鑑賞でした。

美術館自体もかなり広々としてゆったり見れて素敵な展覧会でした。6/17までなのでもうすぐ終わってしまいますがオススメです。

最後に展示品の多くを所蔵している大分市美術館のサイトから作品の一部をどうぞ。(画質あまり良くないので実物で見て欲しいのは否めないですが)

大分市美術館/【日本画】 高山辰雄の作品

僕のお気に入りは《朝》です。朝の色合いがとっても素敵でした。